2006年9月29日 (金)

【腹痛】

腹部が突然急激に痛む場合は、これまでお話してきたホメオパシー的急性症状でない場合が考えられます。激しい腹痛に、吐き気・嘔吐・下痢・発熱・けいれん・昏睡などが伴う場合は、時として緊急の外科的処置が必要になることもあるでしょう。しかしここに至るまでに体はいくつかのサインを出し、それに気づかなかったり、意識的に避けたり、薬で抑えてきた結果とも考えられます。「ローマは一日して成らず」というように、胆石も1日で作られるわけではありません。胆石ができても、胆のうの中にある間はあまり痛みません。痛みは、胆石が胆のうから押し出される際に、右肋骨下に、特に食後にあらわれ、発熱・黄疸を伴います。(腹痛の原因が尿路結石によることや結石の出来る場所によって腰や背中が痛むこともありますが・・・)この激しい症状がでる以前から胆汁成分が結晶化し、結石をゆっくり形成している間、既にホメオパシー的慢性症状だったのです。全ての人が結石症を患うわけではなく、部位はともあれ体内で石を形成しやすい人は、精神や肉体にもその特徴を日常的に表現しています。たとえばCalc-carb.カルカーブやLycopodiumライコポデアムの人達です。このような特徴からその人を読み取り、病気への罹りやすさを改善してゆくこともホメオパスの大切な仕事といえます。

現代医学の中に、プライマリーケアという考え方があります。これはPrimary health careプライマリー・ヘルス・ケアの略で、基本的保健医療と訳され、私たちの最も身近な医療のことです。つまり体調管理・治療・予防などに関して、日常的に相談できるかかりつけ医や診療所のことです。この基本的医療と病院やさらに高度先端技術を提供する専門的医療を包括した最善の医療を行うという考え方です。現代医療は技術の高度化・専門化によって進歩した反面、日常的な症状や慢性病・予防医療・病後のケア・リハビリテーションなどの継続的かつ全体的な地域医療については多くの課題がある状況です。今後ホメオパシーがプライマリーケアの一端を担えればよいと考えずにはいられません。

自分自身の健康を医療という名の他人に委ね、無頓着になってはいけません。心や体の発する声に日々耳を傾け、症状としてあらわれた時は真摯に向き合い、そして解決しなければ本当の治癒には至りません。激しい症状を発症する前に、自分の体質や家系的な疾患・精神的なこだわりや弱さなどとうまく付き合う術を身につけなければなりません。人間は病気と無縁には生きられません。人生が病気と共にあるからこそ、健康のありがたさがわかるのかもしれません。症状が出ることに感謝しつつ、ホメオパシーが日常広く健康管理に役立てられるよう、非力ではありますが頑張りたいと思います。

すっかり横道に外れましたが、腹痛のレメディーは下記の通りです。但し、かつてない激しい痛みに冷や汗・嘔吐・けいれん・排便がなくオナラも出ない・血便等がある場合は、早急にホメオパスや医師に相談しましょう。

【腹痛】

Belladonnaベラドーナ     ・・・・・体を後に反らすと楽になる、ズキズキ拍動するような腹痛。

Bryoniaブライオニア      ・・・・・石のように重く、少しの動作で悪化する場合に。

Carb-veg.カーボ・ベジ     ・・・・・下腹部が重く、ゲップがたくさん出るときに。脂肪の多い食後の症状にも。

Chinaチャイナ          ・・・・・胃が張ったように感じる腹痛。果物から生じた場合にもよい。

Lycopodiumライコポディアム ・・・・・ガスで腹部がゴロゴロと鳴り、大きな音のオナラが出る腹痛。パン・豆・牡蠣で悪化する場合にも。

Mag-phos.マグ・フォス    ・・・・・腹痛の代表的レメディー。温めることや体を折り曲げる姿勢で和らぐときに。

Nux-vomicaナックスボミカ  ・・・・・胸焼けや吐き気を伴う腹痛。贅沢な食事・食べ過ぎ後の症状に。

Staphsaguriaスタッフサグリア・・・・・屈辱・怒りから起こる腹痛に。

この他、36キッズ・キット中のCuprumキュープロム(けいれんする様な痛みに)や Veratrumバレイチュラム(激しい悪寒や下痢を伴う腹痛に)もよいです。

|

2006年8月13日 (日)

【消化不良】

消化不良は胸の下部と胃の上部の不快な状態のことで、具体的には胸焼けと言われる食道のしみるような痛みや食後の胃の重い感覚・腹部の膨張感・胃や腸にガスが溜まってお腹が鳴る(鼓腸)・オナラやゲップなどです。食べ過ぎなどが原因の場合は、レメディーに頼らなくても一両日中に症状は改善されますが、生活習慣などに起因する場合はこれを改善しなければなりません。夜遅い食事・脂肪分の摂り過ぎ・アルコールやコーヒーの飲みすぎ・喫煙などです。これ以外にも、肥満・ストレスによるものや特定の食物によって起こることもあります。下記のレメディーで適切と思われるものを15~30分おきに2・3回試してみましょう。繰り返し起こる、数週間続く場合は慢性病といえますので、ホメオパスに相談しましょう。

【消化不良】

Arg-nit.アージニット     ・・・・・腹部の膨満感があり、ゲップを伴う鼓腸がある。甘い物や冷たい物で悪化するときに。

Arsenicumアーセニカム   ・・・・・胃にヒリヒリ焼けるような痛みがあり、食欲がないときに有効。

Carb-veg.カーボベジ    ・・・・・脂っこい食物の食べすぎによる消化不良。胃が重く、ガスが多量にでる。

Chinaチャイナ         ・・・・・胃がガスで膨らみ、痛みを伴う。ゲップをしても症状が楽にならないときに。

Lycopodiumライコポディアム・・・・・胃腸にガスが溜まり、ゴロゴロとお腹が鳴る。主に炭水化物を摂ること、予期不安による消化不良に。

Nux-vomica.ナックスボミカ・・・・・刺激物(香辛料・アルコール・コーヒーなど)や食べ過ぎによる胃痛、胸焼けに。吐き気をともなうこともある。

Pulsatillaポースティーラ   ・・・・・脂っこい食事による消化不良や吐き気に有効。

Sulphurソーファー      ・・・・・胃酸過多で口の中に酸っぱい味がする。長い消化不良に病歴があり、牛乳を飲むと悪化する。

※追記:レメディー選びに自信がない、忙しくて選択の余裕がない方には、コンビネーションになったTSシリーズをオススメします(詳しくは、2006年5月13日の「バイタルティッシュソルト(生命組織塩)」をお読みください)。消化不良はTS-15(ガスによる疝痛のある消化不良)・TS-16(胃にしみる様な痛みのある消化不良)がよいでしょう。

|

2006年6月21日 (水)

【下痢】

食べなれないものを食べていない、下痢をしそうな心当たりがないのに下痢をすることがあります。これは腸自ら調子を整えるために、腸内を掃除することで起きる体の賢い自然現象です。この場合、通常1~2日で下痢はおさまるでしょう。

人によっては、ある特定の飲食物によって下痢を起こすこともあります。牛乳・アルコール・果物・牡蠣などが代表的ですが、これはその飲食物に対する不耐があることを示しています。これらによって下痢は突然生じますが、ホメオパシーでは繰り返す症状は急性病ではなく慢性病と捉えます。(急性病と慢性病については2006年3月23日『自然治癒力の働き』をお読みください)しつこく起きる疾患や家庭用キットを使用しても改善がみられない場合は、是非ホメオパスにご相談ください。

下痢の時は、体内の水分のみならずミネラルも不足します。脱水症状を起こさないためにもミネラルに関するレメディー(ティッシュソルト)を水に入れて少しずつ飲みましょう。手元になければ、梅干や塩+砂糖(精製されている白い砂糖以外がよいでしょう)でも代用可能です。我が家では、冷蔵庫に梅醤(うめしょう)を常備しています。梅干に天然醸造のしょうゆを混ぜたペーストの瓶詰めですが、これを番茶(ただの湯でもOK)に溶かして飲みます。温かい梅醤番茶を飲むと、体がホッとして痛みが和らぐ気がします。最近は生協でも手に入り、豆腐や和え物にも利用ができるので便利です。

下痢で気をつけなくてはならないのは子供の場合です。子供は年齢が低いほど体液を失いやすく、高熱・嘔吐・水分を飲まない・気温が高い時は、さらに急激に悪化することが考えられます。レメディーを与えつつ、ホメオパスに早急に相談しましょう。また乳幼児以外でも、痛みが激しい・長期間続く・血便や粘着質の便・体重の減少などがある場合も同様です。

【下痢】

Arg-nit.アージニット    ・・・・・試験や発表会などへの不安や興奮から起こる下痢。パニックや甘い物から生じることも。

Arsenicumアーセニカム  ・・・・・心当たりの食物がある場合の食あたり。水っぽい便でヒリヒリする感覚や吐き気を伴う場合に。

Bryoniaブライオニア     ・・・・・動くことができないほどひどい下痢。喉がとても渇き、冷たい水を欲しがる。

Chamomillaカモミラ     ・・・・・幼児のヒステリーからの下痢。特に歯の生え始めの時。

Chinaチャイナ         ・・・・・痛みのない水っぽい下痢。果物から起こるものに有効。大量の排泄で体力を消耗している時にも。

Mercuriusマーキュリー   ・・・・・繰り返し起こる、悪臭のする下痢。急激な温度変化や夜間に生じる時に。

Nux-vomicaナックスボミカ・・・・アルコールや刺激物、食べ過ぎまたは腹部を冷やしたことによる下痢。下痢と便秘を繰り返す時にも。

Phosuphorusフォスフォラス・・・・水道の蛇口を開けたままにしたような状態の下痢。痛みは少なく、冷たい飲物で症状が好転する。

Pulsatillaポースティーラ  ・・・・・脂っこい食事後の下痢。黄色の便で、喉が渇かないのが特徴。

Sulphurソーファー      ・・・・・早朝の下痢。ビールを飲むことで生じた場合にも。

上記の他にもCuprumキュープロム(特に夏に繰り返す下痢)や Veratrumバレイチュラム(激しい下痢と発汗で、便は水っぽく大量)がよいでしょう。

|

2006年5月16日 (火)

【便秘】

日常よくある症状ですが、その度合いはさまざまです。知人に11日間便秘が続いたという驚くべき人がいたり、私のように1日でないだけで気分が悪い者もいます。そこで、便秘の定義ですが、通常3~4日、便が大腸の中に停滞したまま排泄されない状態を便秘と呼びます。ただ排便回数には個人差があり、毎日排便がなくても苦痛を感じないこともあります。ですから一概に3日排便がないからといって、それだけで便秘とは言えません。不思議なことに、世の中には、便秘をしている方が体調がよいと感じる人もいるのです。ただ、排泄されるべきものは停滞させずに、少しでも早く排泄するのがよいと考えます。自分で不快感を感じるようであれば、まず便秘を防ぐ生活習慣と早めにレメディーで対処するのがよいでしょう。但し、改善がみられない、慢性的に便秘がち、下剤(たとえ薬草や服用以外でも)を常用していた、便秘に伴い他の症状がある場合は、ホメオパスに相談しましょう。下記に、便秘を防ぐ日常生活と急性の便秘のレパートリーをまとめましたので参考にしてください。

★便秘を防ぐ日常生活★

① 便意を感じたら、我慢せずにトイレに行く。

② 便意がなくても、毎朝トイレに入る習慣をつける。

③ 朝起きたら、必ず常温の水を飲む。また一日の水分摂取量に気をつける(1日にコーヒー・お茶・アルコールなどを含まない純粋な水だけで1~2ℓなどといわれたりしますが、無理のない範囲でよいと思います)。

④ 食事を抜かない、特に朝食は。

⑤ 食物線維の多い食品、ゴボウ・サツマイモ・豆類・キノコ類・海藻類・全粒粉・玄米を摂り、精製されたものや加工食品を避ける。

⑥ 果物や生野菜を摂る。

⑦ 適度な運動を心がける。

⑧ ストレスも便秘の原因となるので、できる限り解消に努める(難しいと思いますが・・・)

⑨ おや?、と思った時点で下記のレメディーに加え、肝じんかなめセット(朝は肝臓・昼は腎臓のサポートをするコンビネーションレメディーの2本セット)や前回お話したTSシリーズの23番(便秘のためのコンビネーションレメディー)を摂るのも有効。

【便秘】

Bryoniaブライオニア    ・・・・・便意のない便秘。水分を大量に摂取しても、喉が渇き、便も乾いて硬い。

Nux-vomicanナックスボミカ・・・・・便意はあるも、出ないもしくはすっきり出ない。普段から消化器系が弱い人や座りがちの生活の人に。

Sepiaシーピア        ・・・・・お腹に石があるような感覚があり、軟らかくても硬くても出にくい。残便感があり、妊娠中や出産後の人向け。

上記以外にも、Opiumオピウム(36キッズキットに入っている。便意がなく、数日間排便がなくても平気な人や下剤を服用していた人に)やKali-al-s.ケーライアルミナソーファー(36バイタルキットに入っている。下腹部にガスが溜まり、軟便なのに出にくい)もよいと思います。

|