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2013年2月 2日 (土)

来週は味噌づくり♪

R0012846自分で作った味噌はどうしてこんなに美味しいのだろう? たぶん作り手の皮膚常在菌(微生物)が含まれた自家製味噌は、その人の腸内常在菌にとって「美味しい」と感じるからではないでしょうか。腸内には100種類100兆個(!)、重さにして1~1.5Kgもの常在菌が存在し、それらと共生し、バランスをとって健康を維持しています。そして我々日本人は、栄養学などない時代から味噌を作り、そして食べ続けてきました。自家製味噌は美味しいだけでなく、腸内を整えたり、健康維持に役立っていることにご先祖様たちは感覚的に気づいていたのかもしれません。そして昨今のみそ汁離れは、自家製味噌を作らなくなった、つまり自分の口に合わない市販の味噌を買うようになったことが一因なのでは・・・と思ったりします。

今から25年位前、私の母がハマっていた料理研究家がおりました。彼女は新し物好きで、よいと感じるとすぐ行動に移すのですが、このときは料理本とステンレス多層鍋をそうそうに購入。おそらく働く彼女にとって、料理研究家の「料理に長い時間を割かなくても、すべての必須栄養素が過不足なくとれるシステマティックな料理法」という言葉に魅かれたのでしょう。

アメリカ栄養学をもとに独自の実践栄養学を取り入れた料理本には和食も含め、世界各国の見るからに美味しそうな家庭料理が紹介されていました。たまに材料調達が難しかったり、面倒なレシピもありましたが、それでも母から私へと現在に至るまで作り続けているお気に入りレシピもあります。その本を最初に読んで驚いたのが、食に対する熱意と健康に対する神経質さ。特に肉はできるだけ厚切りを買い、空気にさらされ酸化した表面は切り除く(!)と書かれていました。もちろん脂肪部位も食べません。いくらバブル時代に書かれたものとはいえ、そこまでしなくても・・と感じていました。

この料理研究家は日本人が急激に多くの油分をとる食生活に、肉体が適応できるはずはなく、ガンや心臓血管の疾患リスクを減らすためにも、暇な時に冷えても美味しい保存食を作り置きすることを勧めていました。そのこと自体に異論はありません。ただそこにもう少し日本人の肉体を支えてきた味噌や醤油、だしといった伝統に目を向けていただきたかったと思います。世界各国の家庭料理は、その国の風土に根差した料理であり、その国に生きる人に適したものであるはずです。暑い国では体を冷やす植物が育ち、それらを美味しくいただける調理法などが用いられていることでしょう。寒い国ではその逆になり、日本には日本独特の野菜や調味料・保存食が存在します。

神経質と思われるほど食生活に気をつかっていた料理研究家ですが、男性の平均寿命である79.4歳まで長生きすることなく、残念なことに食道ガンで亡くなっています。

この料理家とは逆に「わかめの味噌汁」だけで、長崎に原爆が投下された際、爆心地からわずか1.8kmの病院で被爆したにもかかわらず、原爆症を発症しなかったのが秋月辰一郎医師です。以前にも取りあげたと思いますが、秋月医師は著書「体質と食物」の中で、「現代医学の栄養学は、人間の生命の源としての食物という問題に関しては、ほんの一部しか明瞭になっていない、幼稚なものであると判った。(略)たいたい、西欧人と日本人の体質は少し異なるし、食物も異なるはずである。気候風土も異なる。だから西欧で研究された栄養学がそのままの形で、日本人にも適切であるとは考えられない」、「味噌が日本人の食物の最も大切な要(かなめ)のようになっている」と書かれています。

今も終息しない福島原発の放射能の影響を受ける現代人にも、きっと「わかめの味噌汁」はよいだろうと推測します。もし秋月医師がいまも存命であれば、ヨウ素たっぷりのわかめに、豆腐や揚げを入れた味噌汁を勧めたことでしょう。子どものころから病弱で、二十歳までは寿命がもつまいと言われながら、89歳まで長生きされたのは、ひとえに「わかめの味噌汁」のおかげ。身近にあって、その価値に気づきにくい味噌ですが、見直すきっかけになれば嬉しいです。そしてせっかく毎日食べるなら、美味しい手前味噌で作りたいので、来週は味噌づくりに精を出すつもりです。意外と簡単なので、気軽にトライしてみてください。もう少し安定して同じ味がだせるようになったら、味噌づくり教室でもやりますか・・・♪

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