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2012年8月23日 (木)

東北のお米を食べよう

我が家では無農薬玄米を東北の農家さんから直送していただいています。先日このお米にちょっとした異変が起こりました。暑さのせいで、お米にノシメマダラメイガという虫が発生したのです。これまで「米に虫がわく」とは聞いたことがありますが、実際目にするのはこれが初体験です。

昨今、スーパー等で販売されるお米に虫がつくことはないでしょう。なぜならネズミや虫を徹底して薬品駆除しているからです。お米に虫がいるということは、殺虫剤の残留がない、少ない証。つまり安全なお米といえます。

ただ経験がないだけに、駆除の方法やその後の保管方法(これまでも涼しい場所に保管していたので)に悩みました。農家さんに伺うと、この虫は胚芽部やぬかを食べて成長し、白い糸を出してさなぎになるそうです。駆除法はザルなどでふるってさなぎを丁寧に取り除いたり、直射日光の当たらない明るいところで新聞紙に広げると光を嫌う幼虫は逃げ出すそうです。ただしあまり長時間干すとお米が割れてしまうとのことで、1~2時間くらいでよいようです。保管していた米びつもよく洗い、日光消毒します。

虫は保存袋を食い破るので、機密性の高いマンションなどでは長期の保存は難しいですね。また平均気温が20度を上回れば冬場でも虫の発生がみられるだけでなく、品質低下するそうです。

せっかくの美味しいお米が劣化するなんて耐えられません。・・ということで、一度に大量購入しない、気温が高くなる時期はジップロックやペットボトルに入れ替えて冷蔵庫の野菜室で保存することを勧められました。

電話でお話した際、「毒があるわけでもないし、食べても問題ないでしょう」と言う私に、恐縮する農家さん。こちらこそ保管が悪くて申し訳ないです。その際にポツリと伺った話によると、最近、数件の購入者から同様の連絡があり、「気持ち悪いから全部捨てた」「送り返すから引き取ってくれ」と言われたそうです。手間のかかる無農薬米を地道に作る信頼できる農家さんに、無農薬米を望んで購入した方の言葉とは思えない言動にビックリしました。

そして今日は東京新聞に東北出身の脚本家・あべ美佳さんが寄せた文章を読みました。

・・・震災があってもなくても、東北が「まったなし」の状況だったことは当人たちが一番分かっている。とくに農業はそうだ。田んぼに立つ7割の人が60歳を超える現実、過疎化、担い手不足・・・。今までごまかしながらなんとかやってきたことが、震災後は敵いそうもない。避難所で食べた1個のおにぎりが人生を変えた人もいる。生きることは食うことだと改めて痛感した。けれど一方で、3・11以降も危機感無く東北のコメを食い、変わらず生活している都会の人もいる。それが現実。・・・

危機感がないわけではないけれど、東北のコメを食い、変わらず生活している都会人のひとりではあります。先述の米を破棄、返品したのは、やはりすべて都会の人だったそうです。あべさんはそんな都会人を責めるのではなく、東北の皆さんに今こそ<自立>のときではないべが?とエールを送っているのです。すべてを流され、愛する家族まで失った人に「自立」を促すなんて酷いことのように思えるかもしれない、しかし国や人の支援は一生続かない。そんなあやふやなものを求めてすり減らすより、一日でも早く自分の足で歩けるための何かを探す方にエネルギーを使いたい。もちろんひとりで探すのではなく、周りには必ずサポーターがいると信じている。震災の問題はそのまま現代農業が抱える問題と同じであり、国の支援をあてにしないと営めない仕事、成り立たない生活、そこから脱却する必要性と、そのキーワードが自立だとおっしゃっています。

先祖伝来の土地で自然と寄り添い暮らす人々の偉大さは、訪れた人々の心にきっと響くだろう。まっとうな食べ物と、豊かな自然に、人々は感服するだろう。被災地・東北は実に誇れるものだらけ。だから胸を張って、照れずに自立のためのアピールを始めようではありませんか、と締めくくられています。

世界を相手にするよりも自然を相手にする方が、もしかしたら大変なのではないだろうか。それを被災後も辛抱強く継続し、まっとうな食べ物を作ってくださっている。感服です!そしてこれからも東北サポーターとして東北のコメを食い続けることが、多少なりとも自立の応援になればよいと思います。みなさんも虫ごときにおののかず、いっしょに東北の農業を食べ支えましょう!!

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