« 台所に帰ろう!・・・① | トップページ | 台所に帰ろう!・・・③ »

2011年10月28日 (金)

台所に帰ろう!・・・②

(昨日の続き)

そういえば肉食に対する嫌悪の記憶を思い出しました。昔読んだクライブ・バーガーという作家の短編に、監禁した人間の食を断ち、飢餓の状態にさせてから腐った牛肉を与えるという描写がありました。人間のプライドや理性が生存や食欲の前ではいとも簡単に打ち砕かれるという瞬間を傍観する男の話でした。肉から漂う腐敗臭まで感じられ、肉食自体を嫌悪する感覚になった覚えがあります。とはいえ、まだ若かったのでこれでベジタリアンになろうとまでは思いませんでしたけど。

さて、肉好きの家族のためにさまざまな肉もどきを試しました。ベジミートやらテンぺ、車麩、おから、時に大豆や豆腐をすり鉢ですったり、オートミールで代用したりもしましたが、多くの場合は不評でした。しかしもともと野菜好きだったので、野菜のレパートリーが増えることは歓迎されました。考えてみると、なんとか肉に代わるものを作らねば、という思いが強すぎたようです。

私の友人や知人の中にも同様の思いが強すぎて外食ができない、友人と会うことが面倒になった(友人に気を使わせたくはないけど、自分の主義も曲げたくない・なぜベジタリアンになったかを説明するのが面倒など)、その果てに食べるものがなくなった、友人がいなくなり精神的に追いつめられたなどという声をかなり聞いていたので、あまりのめり込まないように、また料理自体を嫌いにならない程度に、今もユルユル続けています。

さて、なぜこんな話をしたかというと、震災を経験したことで家庭生活が見直されていると感じるからです。旦那さんの帰りが早くなった、家族の会話が増えた、料理教室に通い始めた、保存食を手作りしたという話を最近よく耳にします。食の安全に関しても、震災以前よりも関心が高まっています。出来る限り信頼できる食材を家庭で調理することで不安を解消することもできます。そして多くのストレスにさらされる旦那さんやお子さんに、家に帰ればお母さんの手作りのあたたかいご飯が待っている、これだけで元気になれますよね。スーパーには冷凍やお惣菜といった手軽な食品が山と売られています。そんなものより、たとえ多少の手を抜いても手作りが何よりのごちそうではないでしょうか。

|

« 台所に帰ろう!・・・① | トップページ | 台所に帰ろう!・・・③ »