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2011年1月10日 (月)

成人型アトピー性皮膚炎について

皮膚の問題でホメオパシー健康相談会にいらっしゃる方は少なくありません。軽い乳児湿疹の赤ちゃんもいれば、大人になってもずっとアトピーと付き合っているという方まで、状態や出る場所も人それぞれです。ただ多くの方に共通するのは、「ステロイドを使用しないで治したい」というご要望です。

もちろん誰もが自由に治療方法を選択できますし、ホメオパシーを現代医療と併用することも可能です。ただホメオパスとしてステロイドを勧めたり、止めるようにお話しすることはできません。その点においても選択はクライアント自身の決断に委ねられます。ホメオパシーや脱ステロイドを選択した後も、症状が辛くてステロイド外用剤を使用することがあります。その際、ホメオパスはその方の意志の弱さに対する落ち込みや使用したことに対する罪悪感に関する精神ケアの観点からレメディーを選択したりします。また症状が長期に続くこともあるので、そのストレスや本当に治るのかという不安などのケアも重要です。肉体だけでなく精神的な問題にもお役にたつのがホメオパシーのよいところですね。

では「ステロイドを使用したくない」と言ってセンターへいらした方が、どうしてまたステロイド外用剤に頼ってしてしまうのか。それはステロイドの持つ性質に原因があります。ステロイドは早期に症状を抑え込み、炎症やかゆみを緩和しますが、よくなったからと塗るの止めた途端に皮膚が赤くなります。塗り続けないと皮膚が正常に機能しない、つまりステロイド依存という副作用があるためです。この依存を恐れてホメオパシーを選択する方が多いように感じます。

アトピーと診断されれば、ほとんどの医師が日本皮膚科学会ガイドラインに沿ってステロイドを処方します。そのため病院で患者から「ステロイドを使いたくない」と言われると、正直、医師も困るのだと思います。そんな中、ごく少数ではありますが、脱ステロイドに尽力されている医師もいらっしゃいます。大阪にある阪南中央病院の佐藤健二医師もそのおひとりです。以前、著書である「赤ちゃんと子どものアトピー治療」を読ませていただきましたが、「患者に学んだ成人型アトピー治療~脱ステロイド・脱保湿療法」もアトピーでつらい思いをされている方、そのご家族におすすめの本です。

成人型といっても年齢に関係なく、本来のアトピーにステロイド依存性皮膚症を合併したものを成人型アトピー性皮膚炎と呼びます。アトピーは小児の20%がかかり、多くは2歳までに自然治癒していた時代もありました。しかし現在は大人になってもステロイドが手放せない人が増えています。このステロイド依存を伴うアトピーが治りにくいアトピーの正体であると佐藤医師は指摘します。しかしほとんどの医師はこの状態を重症のアトピーとしか考えず、そのため脱ステロイドに対する理解も低いとのことです。

都内の開業医(脱ステロイド推進する医師)の講演会を訪れた際、その医師のもとで脱ステロイドを実践する重度のアトピー患者の方が「ステロイド止めますか、人間やめますか」と話されたことを思い出しました。その方はひどいステロイド依存の末、虚脱で働くこともままならなくなったそうです。脱ステロイドと出会って、使用量や回数を減らすことから始めましたが、リバウンド(離脱症状)に何年も苦しんだと話されていました。現在は仕事に恵まれ、無農薬野菜や自然食品を販売する仕事をされています。

昨今これほどまでに増加するアレルギー疾患はさまざまな要因が複雑に絡みあって形成されていると思います。ただ佐藤医師も断言するように、成人型アトピー性皮膚炎は明らかな薬害です。多くの患者がステロイドを止めることでよくなっているという事実が、それを証明しています。脱ステロイドを勧める医者はまるで霊感商法のようだとか、親がステロイドを拒否すると育児放棄だ、虐待だと責められるという声も聞きますが、「子どもがかわいそう」と目先の一時的な改善に走らず、根本治療には時間が必要であると考えて欲しいです。

症状に苦しむクライアントがよく言うフレーズに「なぜ私がこの病に苦しめられるのか」というものがあります。先に述べたように薬害や遺伝的な問題、食生活、生活習慣なども大きく関係します。そして多くの方が精神状態が悪くなると症状も悪化すると言います。好きなことをしていると気にならないのに、プレッシャーを感じると痛みやかゆみを強く感じると訴えるのです。まさに病は気から、気が病むことから病気になるのです。ホメオパシーで症状は肉体のSOSと捉えます。そして症状はその肉体に病気が潜んでいることを顕在化させてくれます。問題は症状ではない、つまり表面化した皮膚の症状のみをステロイドで改善しても、解決できていない内在する病気に対応しなければ根本治療には至らないというわけです。

話が長くなりすぎましたね。私が言いたかったのは肉体にしろ精神にしても症状を恐れず、向き合ってほしいということです。そのお手伝いを今後もさせていただきたいと思っています。

***おススメ書籍***

「赤ちゃん・子どものアトピー治療」子どもの未来社

「患者に学んだ成人型アトピー治療~脱ステロイド・脱保湿療法」柘植書房新社

***佐藤健二先生のブログ***

http://steroidwithdrawal.blog92.fc2.com/

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