« 成人型アトピー性皮膚炎について | トップページ | 猫ちゃんのホメオパシー体験談 »

2011年1月17日 (月)

ステロイドについて

前々回、成人型アトピー性皮膚炎に関する記事の中で脱ステロイド(副腎皮質ホルモン)剤について触れたので、本日ももう少しステロイドについて書きたいと思います。といっても医師でない私には詳しいことが書けるはずもなく、またみなさんを納得させるだけの知識と文才もないので、ここはハーバード大学医学校を卒業したアンドルー・ワイル医学博士に登場いただくことにします。ワイル博士は国立精神衛生研究所の研究員やハーバード大学植物博物館の民族精神薬理学研究員として伝統医学や代替医学、薬用植物、治癒論の第一人者といわれる方です。1996年には、著書「癒す心、治る力」が全米でベストセラー第一位となり、「タイム」誌の「今、最も影響力をもつ25人の米国人」の一人にも選ばれています。

その著書にはホメオパシー理論の一部には賛成しかねるし、その理論体系全体が現代の物理学や化学の理論モデルに合致しないなど、理解できないところがあるとしながらも、自分自身でもホメオパシーの治療を受け、他人の治療もつぶさに観察した結果、害を与えることのない治療法にたいして敬意を払っていると書かれています。またそれは治療結果にたいしてだけでなく、ハーネマン(ホメオパシーを創始したドイツの天才医師)の思想の一部が有用だとも考えていると述べられています。

以下に抜粋すると・・・

ハーネマンの考えでもっとも重要な点のひとつは、病気の目にみえる症状をおさえつけることの危険を説いているところである。彼は皮膚のかゆみや発疹を例にあげ、病気は皮膚から外にでていくので、体表にあらわれる症状は体内にあらわれる症状よりもいい徴候だと教えてくれる。抑圧的な治療法は病気のプロセスを内部に押しやり、重要臓器にまで追いつめてしまうというのだ。抑圧的治療はかゆみや発疹を消すことができるが、将来もっとたちの悪いトラブル、さらに強力な抑圧治療にも抵抗するようなトラブルを発生させる。

ハーネマンは副腎皮質ホルモンが発見されるずっと以前に、そのことに気づいていた。副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)はひじょうに強力な抗炎症ホルモンであり、現代医学の医師はその害について真剣に考慮することもなく安易に投薬している。(略)

わたしの患者でもステロイド依存になった人の数は年々ふえる一方だ。ステロイドのクリームや軟膏を使っているあいだは発疹もおさえられるが、ひとたび使用をやめるとたちまち症状が再発し、しかも以前よりも悪化する。病気のプロセスが解消されたわけではなく、症状を奥に追いやっただけなのだ。(略)

ステロイドが全身的に使用されると、その抑圧的効果と毒性はさらに顕著になる。

この毒性が気になる方は「癒す心、治る力」を一読ください。またアトピーの患者さん1000人へのアンケートにより、患者による患者のための初の実態調査本「アトピー性皮膚炎 患者1000人の証言」(子どもの未来社)も多くのことを教えてくれる本だと思います。ここにはアトピーをステロイドに関する歴史的な経過、闘病生活や経験を踏まえた対処法などがわかりやすく記述されています。

症状に対するアプローチはさまざまあると思いますし、一長一短があります。ただ何を選択するかは自由ですから、多くの情報から納得いく療法を見つけてほしいと願っています。

|

« 成人型アトピー性皮膚炎について | トップページ | 猫ちゃんのホメオパシー体験談 »