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2009年12月 9日 (水)

進化が心配、食品テクノロジー

読売新聞朝刊1面に「食ショック09」という連載記事があり、本日のお題は「テクノロジーの表裏1」。いわゆるフェイク食品と言われるものの記事で、見た目は高級食材のふかひれや霜降りの牛肉のようでも、実は添加物だらけであり、飲食店で使用しても日本農林規格(JAS)法では原材料表示義務は対象外なので、表示しないのは自由という内容です。

記事は37面に続くのですが、実にタイムリーな内容だと関心しました。37面の右側36面に、「焼き肉3店舗でO157」の小さな記事を見つけたのです。どんな関連があるかというと、久々に聞く「病原性大腸炎O157」つながりです。この焼肉店でテクノロジーによって作られた肉が提供されていたかどうかは不明ですが、今秋にもステーキチェーン店でO157による食中毒が発生し、営業停止処分を受けた事件は記憶に新しいと思います。

テクノロジーによって生まれた焼肉(成型肉)といえば、サイコロステーキが代表的ですが、これは添加物とくず肉のコラボで作られた完全なフェイクです。たとえばオジー(オーストラリア産)ビーフとメニューに書かれていても、使われるのはどの部位か不明で、通常は横隔膜や内臓に接する肉をこそぎ落とした利用価値のないものです。ここに牛肉の脂肪やつなぎとしてのでんぷん、保湿剤としてのトレハロース、弾力を与え、保水のためにリン酸塩を加え、水と膨張剤の重炭酸ナトリウムで量増しして作られています。化学調味料でどんな味にもでき、安くて、焼くだけ簡単調理を好むレストラン業界で大量消費されるのも、本をただせばそれを望んだ消費者に問題ありですよね。

サイコロステーキの問題点は添加物の多さだけではありません。通常のブロック肉の内部にO157は存在しないため、表面さえ焼けば殺菌でき、レア(半生)で食べることもできますが、サイコロの場合は材料を混ぜる過程で菌が入り込む可能性があり、表面だけでなく中心部まで火を通す必要があることを知らない方がいる、または成型肉である旨をメニューに記載しなくてもいいというあいまいな基準が大問題だと考えます。

ステーキチェーン店で起こった食中毒は、お客が自ら好きなように焼く方式だったため、成型肉との認識がないまま、十分な加熱をしなかったことが原因でした。しかし他のステーキ店が公正取引委員会から同法違反で排除命令を受けた後も、表示方法は各社の判断に任せられたままの状態です。大手焼肉店でも「豪州産カルビ←これではまったく成型肉かどうか注文してみないと、いいえこの目で見ても分からないのかも」など2品目で成型肉を使っていても、メニューの下に薄く小さな文字で「形を整える加工をしております」と書いているだけだそうです。他にもハンバーグチェーン店では「ジューシー加工←かなり問題!」としか表示していないそうです。

消費者に正確な情報を開示しないまま水増ししたりすることを「技術」と称していいのか、という一文に同感です!安全をなおざりにしたテクノロジー進歩はありえません。移管された消費者庁には「成型肉と表示するのが望ましい」などとゆるいことを言っていないで、早急に統一的なルール作りをして欲しいと願います。

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