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2006年12月28日 (木)

災害時対策に・・・

先日遅ればせながら、映画「デイ・アフター・トモロー」を観ました。温暖化によって引き起こされた地球規模のスーパー・ストーム(巨大嵐)によってニューヨークが水没し、その後地球全体の温度低下で氷河期が訪れ、史上最悪の自然災害に直面し生死の狭間で揺れ動く人々とその運命を描いた作品でした。氷河に半身が埋もれた自由の女神のポスターが印象的で覚えている方も多いと思います。

ここに登場する女子高生ローラー(エミー・ロッサム)は、マンハッタンが高波に襲われ、公立図書館に避難する際に汚染された水の中で負傷してしまいます。たいした怪我ではないと考えたのか、彼女は何の処置もせず放置してしまいます。誰が見てもヤバイと感じる展開ですよね。案の定、傷口は化膿し、彼女は敗血症に陥ります。図書館の司書は、彼女の病状を蔵書の医学書から敗血症と判断し、抗生剤が有効である旨をボーイフレンドのサム(ジェイク・ギレンホール)に伝えます。彼は抗生剤入手のために、危険を顧みずフリーズ・ストーム(地表の生命あるものが瞬時に凍りついてしまう嵐)が近づく外界へと出て行く・・・ここで思ったのですよ。やはり災害時にはレメディー・キットを持ち出さねば!と。

ローラーは怪我の傷口から何らかの病原菌が血中に入り、高熱・頻脈・頭痛・嘔吐・痙攣・意識障害をきたす敗血症になったわけですが、ここに36キッズ・キットがあれば、まず選択されるのはPyrogenパイロジェンでしょう。Pyrogenパイロジェンはホメオパシー版抗生物質と言われますが、このレメディーが病原菌を死滅させるわけではなく、細菌が増殖する原因であるバイタルフォースの停滞を肉体に知らせ、自己免疫力を高めることで体外へ押し出すのです。大災害の場合すぐに医師の手当てが受けられるとは限りません。36キッズ・キットが手元になければ、36基本(ベーシック)キットで対応しましょう。感染症の可能性がある場所での怪我ならCalendulaカレンデュラ、傷口から黄色の膿が出ているならHepar-sulphヘパソーファー、神経を走る痛みがあるならHypericumハイペリカム、高熱のため幻覚を見るならBelladonnaベラドーナ、強いショックや恐怖があるならAconiteアコナイトも必要でしょう。このように36基本(ベーシック)キットさえあれば、たいていの症状に対応することが出来ます。ファースト・エイドとして手持ちのキットを非常用持ち出しバッグに入れることをお勧めします。またバッグには「ホメオパシーin Japan」や「由井寅子のホメオパシーガイドブック③キッズ・トラウマ」の末巻に付いているレパートリーをコピーして入れておけば緊急時に何を飲めばよいか分って便利ですよね。

※繰り返しになりますが、無理な自己治療をすすめるわけではありません。映画のような大災害時で、医師の処置や医薬品が入手困難な場合を想定しただけで、適切な処置が受けられるのであれば、病院へ向かう間のファースト・エイドと考えて利用していただければと思います。

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2006年12月18日 (月)

◆Phosphorusフォスフォラス◆Pulsatillaポースティーラ

Phosphorusフォスフォラスは元素の燐で、生体エネルギーの源DNAやATP(アデノシン三燐酸:生物の運動・物質代謝・合成などに広く関与)を構成するひとつです。主にリン酸カルシウムとして鉱物界や動植物の体内に含まれており、身近なところではマッチや農薬・燐化合物の製造に使用されています。燐は50度で発火するため、マッチの先は摩擦によって容易に炎を上げますが、あっと言う間に燃え尽きてしまいます。Phosphorusフォスフォラスはこの燐の特性そのままに、元気なときは周りを照らすほどに輝き、優しさゆえに誰からも愛される存在です。しかし周囲の空気を読み取りすぎて、他人の意見に流されやすく、また他人との境界線がないために他人の問題を自分自身のことのように抱えて疲れ果ててしまいがちです。美しいものや神秘的なことにも興味を示し、あれこれと手を広げて地に足がつかないタイプです。彼らは楽しいことや美しいものだけに囲まれていたいと考えており、現実を認識していません。人生は長い道のりです。一瞬で燃え尽きるマッチではなく、薄暗くとも息の長い行灯(あんどん)ぐらいがよいのではないでしょうか。

Pulsatillaポースティーラは植物のオキナグサです。このレメディーのテーマは自立であり、生まれたときから自立した人間はいないので、全ての人が必要とするレメディーといえます。生まれて初めて自立を経験するのはいつなのでしょう?初めて親以外の人に抱っこされるとき、公園デビューで他人の中で遊ぶとき、また多くの子供は親から離れる幼稚園入園のときかもしれません。子供は親から離れようとせずメソメソ、場合によっては大声で泣くでしょう。そればかりか幼稚園に入った途端に風邪をひきやすくなったり、中耳炎になったりします。他にも子供特有の病気、はしかや水ぼうそうなどに次々と罹ることもあるでしょう。しかし子供特有の病気は、身体が病気を乗り越えることで抗体形成を学び、子供は自信を増し、身体の自立へと繋がるのです。そして精神については、Pulsatillaポースティーラでいつかはひとりで人生を歩むことに気づかねばなりません。これは誰もが通過しなくてはならない試練であり、避けたり、先延ばしにしても必ず目の前に立ちふさがるものです。ですから熱や中耳炎だといって自己治癒力を発動させることなく薬で症状を抑えてしまっては、子供は薬に依存するだけで、せっかくの自立を学ぶ機会を失ってしまいます。Pulsatilaポースティーラが心身ともに気づきを与え、自立へと手助けしてくれます。

Phosphorusフォスフォラスは、5月の◆Calc-carb.カルカーブの回で触れた代表的な子供の根本レメディーでもあります。またPulsatillaポースティーラを根本レメディーに加える海外ホメオパスもいます。好奇心が強く、知らない人ともすぐ友達になれたり、身体的には細身で背の高い、出血傾向や消化・呼吸器に問題のでやすい子供はPhosphorusフォスフォラス、コロコロと気分が変わりやすく、泣き虫で親離れができない、または気を引いて仲間を欲しがるタイプで、身体的には脂っこい食事を苦手とし、黄色の分泌物を出す傾向の子供はPulsatillaポースティーラを根本体質としていると考えられます。

◆Phosphorusフォスフォラス/燐

神経過敏・呼吸器の問題・出血傾向

精神:性格は優しく社交的だが、開放的過ぎるため影響されやすい。また心配性で過敏、恐怖心も強く、雷・暗闇・幽霊を怖がる。思いやりがあり、多くの人から好かれるタイプ。

身体:一般的に体が冷たいのに、冷たい飲物やアイスクリームを欲求する。症状は主に消化・呼吸器に現れ、胃痛・胃腸炎・下痢・吐き気や風邪による咽頭炎・失声・空咳・気管支炎の他、鼻血などの出血で、特に鮮血の血が止まりにくい時によい。

悪化:感情や接触などの些細なこと・温かい食べ物・左を下に横たわる

好転:食べる・冷たい飲物・睡眠

◆Pulsatillaポースティーラ/オキナグサ

移り気で泣き虫・黄色の分泌物・月経不順

精神:温厚で従順、感情的で涙もろい。親や他人を喜ばせたい、気に入られたいという気持ちが強く物事を断れず優柔不断。自分は可愛そうだと考える節があり、他人の注意を引きたがるタイプ。閉所や人混みを嫌う。

身体:症状は変わりやすく、移動する。子供・思春期・更年期の女性によくあう。特徴的なのは、暑さに不耐と喉の渇きがないこと。また多量で濃厚な黄色の分泌物が出る傾向。症状としては、風邪・鼻炎・中耳炎・目の炎症・膀胱炎の他、月経不順・月経前症候群・月経困難症・妊娠や出産時の不調・更年期の問題、水ぼうそう・おたふく風邪、脂っこい食事からの下痢・消化不良・嘔吐にもよい。

悪化:暖かさ・足が濡れる・夕方・脂っこい食事

好転:寒さ・新鮮な空気・冷たい飲食物

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2006年12月 8日 (金)

【咳】

咳は、ホメオパシーでも現代医学でも厄介な症状といえると思います。なぜならホメオパシーで言う慢性の咳の症状は、患者の家系的な肺疾患、または肺機能の弱さ、体質的・性格的・後天的な生活習慣による肺疾患への罹りやすさなどを考慮しなければならないだけでなく、症状に対応する際も、原因・きっかけ、咳の質(乾いているのか、湿っているのか、金属のような高い音なのか、短い絶え間ないものなのかなど)、同時にどのようなことがあるか(痰が絡んで吐きそうになるのか、咳の間に窒息感やめまい・頭痛・衰弱感を伴なうのか、喉が渇くのかなど)、他にも悪化する気候や時間帯、どうすれば好転するのかなど、様々な観点からレメディーを絞り込まねばなりません。私も家族も、特に家系的な問題はないのに(但し、昔に比べ大気汚染などの影響は考えられるものの、アスベスト被害や幹線道路沿いに住む・喫煙などはしていない)喘息を発症し、多くの薬品、たとえば鎮咳薬の臭化水素酸デキストロメトルファン(製品名ではなく、一般名と呼ばれる薬の成分名。以下同様)やリン酸コデイン・去痰剤のカルボシステインや塩酸アンブロキソール・気管支拡張剤のテオフェリンや硫酸サルブタモール・抗アレルギー剤のクロモグリク酸ナトリウムなどを長期に使用したにもかかわらず、喘息が治癒するどころか悪化していった体験からも、いかに難しい症状なのかがわかります。後々分ったことですが、上記の中には昨今起こった殺人未遂事件に使用された薬品や中枢神経に働く麻薬性の薬品も含まれています。私自身は、これらの薬品によって薬のアレルギーを引き起こし、結果的にはホメオパシーに出会うことになるので、これは通らねばならない道だったのだと考えています。そして現在は、咳の原因を自分の外側に探すのではなく、私自身の内にあったのだと理解するに至っています。それにしても家族の、特に子供の咳は、聞くに堪え難いものがあります。いくら肺や気管支の異物を取り除くための賢い反応と分っていても、一刻も早く止めてあげたいというのが親心でしょう。慢性化してしまった気管支炎や喘息はホメオパスでなければ対応が難しいのですが、急性の風邪症状のひとつとしての咳であれば、36基本(ベーシック)キットで対応することができます。レメディーを摂って症状に変化がみられたら、新しい症状に従ったレメディーを再度検討しましょう。

【咳】

Aconiteアコナイト     ・・・・・冷たく乾燥した風にさらされた後に突然始まる咳。乾いた咳で、喉が渇く場合に。

Ant-tartアントタート    ・・・・・粘着性の痰を伴なう咳で、溜まった痰が咳をしても出てこない。胸の雑音と息切れが特徴。老人の痰を伴なう咳にもよい。

Arsenicumアーセニカム ・・・・・慢性的な傾向があり、同じ時間帯、特に夜間や季節的に繰り返す咳。不安から起こり、暖かさや温かい飲物を欲求する。

Bryonaブライオニア        ・・・・・胸や喉の痛み・頭痛を伴なう乾いた咳。極度の喉の渇きは、水を飲んでも緩和されず、体も乾燥する時に。

Carbo-veg.カーボベジ  ・・・・・絶え間ない咳のため、酸欠で息苦しい時に。

Droseraドロセラ       ・・・・・激しく吠えるような深い咳で、夜と横になることで悪化する時に。嘔吐・喉のイガイガした感じ・声のかれを伴なうこともある。

Hep-suiphヘパソーファー・・・・・喉の痛みや声がれを伴なう咳。黄色の痰が絡み、なかなか切れない。

Ipecacイペカック      ・・・・・発作的な咳が止まらず、吐き気や嘔吐を伴なう。痰に血が混じることもある。

Pulsatillaポースティーラ  ・・・・・湿気た・乾いた状態に変化する、または交互に現れる咳。喉の渇きはなく、多量の黄色の痰がある風邪の終息期に。

咳の症状には、TSシリーズTS-19(咳/風邪/胸部疾患)も症状をサポートするので併用されるとよいと思います。

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2006年12月 4日 (月)

超感覚(スーパー・センス)!

12/2(土)のテレビ朝日「ビートたけしのヒューマンミステリー・人体は究極のセンサーだ」をご覧になった方も多いと思います。この番組の中で超感覚(スーパー・センス)を持った人々、たとえば指先で数千種類の貝を見分けられる、盲目の生物学者、時速300kmで文字を読み取る動体視力持つ人が紹介されていました。その中に、文字や数字・音に色が見える「共感覚」を持つ女性がいました。実は、マテリア・メディカの中にもこの感覚についての記述があり、文字や音に色が見えるとはどういうことなのか分らなかったのですが、この番組を見て納得しました。彼らは、私たちが見たり、聞いたりしている物とは違う世界を感じていたのです。アルファベットのAは綺麗なピンク色で、数字の5は黄土色。この感覚に共感覚者同士での違いはないようでした。幼少期、彼女はアルファベットの色について友人に語ったことで、変な子と言われて以来、色について語らなくなったそうです。しかし視界の全てがオレンジ色になった時、これは以前に歯の問題があった時と同じ状態であると気づき、歯科医は問題ないと言った歯を無理に治療してもらい、削った歯の中で腐りかけていた神経を見つけたそうです。そして治療後、視界のオレンジ色はなくなったとのことです。彼女の場合、体は痛みで疾患を知らせるのではなく、色で知らせているのかもしれません。このような特殊な感覚を体感することができない私たちは、どうしても容易に受け入れることができないものです。そして、この素晴らしい感覚についても、異常な感覚と考えがちです。しかし、もしかすると超感覚は誰もが持っていた、そして失ってしまった、もしくは単に機能させる方法を忘れているだけなのかもしれません。

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